(参考:wikimedia commons ,Suikotei ,七十七銀行 白石支店)
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この記事では、七十七銀行について、
- 採用状況
- 業績と将来性
- どんな人が働きやすいのか?
の3点を中心に解説していきます。
1、七十七銀行の採用状況
(1)新卒採用
七十七銀行の過去の採用実績や平均年収、3年後離職率などは以下の通りです。
2019入社 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
採用数_男 | 75 | 72 | 59 | 38 | - |
採用数_女 | 49 | 56 | 47 | 39 | - |
離職率_男 | 13.5% | 15.6% | 22.7% | 24.2% | 22.7% |
離職率_女 | 28.2% | 20.0% | 25.3% | 25.0% | 43.3% |
残業時間/月 | 17.3 | 16.8 | 16.6 | 15.4 | 15.1 |
有給取得_年 | 13.8 | 13.9 | 13.8 | 13.8 | 14 |
平均年収_総合職 | 697 | 697 | 703 | 702 | 702 |
平均年齢_男 | 38.6 | 39.2 | 39.3 | 39.4 | 39.4 |
平均年齢_女 | 36.9 | 37.3 | 37.6 | 37.3 | 37.2 |
(参考:就職四季報 2020〜2024年度版)
この5年間で見ると、男性はほぼ半減、女性も減少傾向にあります。
3年後の離職率も20〜30%と上昇傾向にあるため、即戦力となる中途採用へと軸足を移してきているのかもしれません。
(2)中途採用
七十七銀行は、中途採用も行っています。
銀行業務だけでなく、コンサル、ITシステム、不動産管理など多岐にわたっていますが、40歳以下が条件となっています。
また、中途採用の比率は、2018→2020年度にかけて、4.05→5.4%へと上昇しており、即戦力となる人材を積極的に採用しているようです。
2、七十七銀行の事業の現状
(1)七十七銀行の売り上げと利益
まずは、七十七銀行の売上(業務粗利益)と利益を見てみましょう。
2020年度までは、売り上げは減少、利益は横ばいが続いていましたが、21年度は大きく売り上げ・利益ともに伸ばしています。
(2)貸出は増えているが、金利低下で利益が増えにくい
銀行の主な収入源は、企業や個人に対する貸し出し(による金利収入)です。
七十七銀行では、企業や個人に対する貸出が増加し続けています。しかし、日銀の低金利政策によって、金利収入が思うように増えず、利益は横ばいが続いていました。
また、銀行は預金を預かったら、国債などの安全な資産で運用していましたが、金利低下によって運用収入が大きく減少しています。
そのため、貸しても、運用しても、利益が出にくい状況になっていました。
しかし、赤字になるような状況ではなく、数百億円単位で毎年利益が出ているため、安定している企業と言えるでしょう。
3、七十七銀行の将来性は?これから何が起こるか?
これから10年以内に、七十七銀行に起こることを今起こっている事実をもとに、予想していきます。
(1)宮城県の人口は、これから10年で約8%減る
まず、最もわかりやすいのが、人口の減少でしょう。宮城県の人口は、2016→21年の5年間で、約4万人減少しています。
そして、この動きはさらに加速します。
国立社会保障・人口問題研究所が、5年に一度、将来の人口予測を発表しているのですが、2025→2035年の10年間で、宮城県の人口は約18万人減少するそうです。
10年間で約8%の減少することになります。
(参考:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」)
しかも、車や家を購入する年代(15〜64歳人口)は、この10年で約13%減と、さらに大きく減ってしまうのです。
人口が減っていけば、モノやサービスに対する需要も減りますから、県内企業の売り上げの減少・倒産・廃業が増えていくでしょう。
(2)合併の可能性は?
少子高齢化による地銀経営の悪化は、全国的に起こっていることですから、政府の方で何も対策をしていないわけではありません。
具体的には、
- 2021年に地銀・信金の合併を促すために、合併にかかるシステムの費用の3分の1を補助する法律ができました(最大30億円)
- 銀行を管理する金融庁でも、合併に関する相談窓口を設けています
このような政府による後押しもあって、主に県内の第一地銀・第二地銀同士での合併が進んでいます。
内容 | |
2020年10月 | 十八銀行と親和銀行が合併→十八親和銀行 |
2021年1月 | 第四銀行と北越銀行が合併→第四北越銀行 |
2021年5月 | 三重銀行と第三銀行が合併→三十三銀行 |
2021年10月 | 福井銀行が福邦銀行を子会社化 |
2022年4月 | 青森銀行とみちのく銀行が「プロクレアHD」を設立 |
2022年10月 | 愛知銀行と中京銀行が「あいちFG」を設立 |
2023年6月 | 八十二銀行が長野銀行を子会社化 |
2023年10月 | ふくおかFGが福岡中央銀行を子会社化 |
宮城県内には、七十七銀行の他に仙台銀行がありますが、特に地方県での合併が進んでいる現状から見ても、いずれはこの2行も合併する可能性はあるでしょう。
仮に七十七銀行が仙台銀行と合併するとなれば、規模の大きい七十七銀行が、仙台銀行を吸収する形になるでしょう。
七十七銀行の本部・店舗を残した上で、仙台銀行の重複部分(店舗・部署)のリストラが進むと予想されます。
というわけで、七十七銀行の現状・将来性をまとめると、
- 七十七銀行では、低金利や少子高齢化の影響もあって、売上・利益ともに横ばいにあるものの、黒字は確保しており、経営は安定している
- 宮城県内は、これから10年で人口が約8%減るため、今後は他行との合併の可能性もある
と言えるでしょう。
4、どんな人が、七十七銀行に合っているのか?
七十七銀行では、新卒社員の3年後の離職率が徐々に上昇傾向にあります。
しかも、これは七十七銀行に限ったことではなく、金融業界全体に言えることで、新型コロナ以降もさらに上昇しているのです。
せっかく頑張って内定をもらっても、「思っていたとの違った、、、」という期待とのギャップによって辞めるのはもったいありません。
そこで、七十七銀行に限った話ではありませんが、銀行一般の企業風土について解説していきます。
就職先として銀行が合っているかどうかの判断材料になると思います。
日本の企業の4分類
これまで大企業の社員を中心に、1,000人以上に企業の実態についてインタビュー・記事を書いている渡邉正裕さん(「My Nesw Japan」)という方がいます。
この方の著書「いい会社はどこにある?」は、800ページ超の大著なのですが、その中で企業は大きく4つに分けると理解しやすい、ということを書かれています。(P518〜)
その内容をわたしなりにまとめたのが以下の図です。
(参考:「いい会社はどこにある?」(P530〜531)
この図について、1つ1つの詳しい解説はしませんが、銀行業界は、この図の「昭和型」に当てはまります。
簡単に言うと、「上の言うことは絶対」で、どんなにおかしいと思っていても、仕事を完遂しなければいけないのです。
なので、自分の頭で考えるタイプの人は、社風になじまず、「言われたことはキチンとやるから、金と安定をくれ」というタイプの人の方が長続きすると言えます。
(わたしが以前働いていた証券会社も、まさにこのようなタイプの人が出世していました)
なぜ銀行は、昭和型になってしまうのか?
銀行がなぜ、このような風土になりがちかと言うと、国(財務省や日銀)による規制や指導の影響を強く受けるからです。
銀行が倒産してしまうと、地域の経済、下手をすると日本全国に大きな影響が出ます。そのため、国による規制・指導が厳しいのです。
そこで出される指示は絶対に守らなければいけませんから、国からの指示を受ける経営陣の力が強くなりやすいわけです。その結果、「上の言うことは絶対」という社風が作られていくわけですね。
こんな人には、銀行は合わない
「上の命令は絶対」という感覚は、それまでの学生生活でも、なかなか経験できることではありません。
上下関係の厳しい体育会やアルバイト、厳しいしつけの両親に育てられた、などの特殊な事情がない限り、かなりのショックを受けてしまうでしょう。
一方で、古くからある昭和型の企業は、自社の兵隊としてしっかりと動いてもらうために、教育や研修が充実している場合が多く、一人前の社会人としてのマナーや知識を身につけることもできます。
その過程の中で、「上の命令は絶対」という価値観を受け入れ、または割り切れる人は案外多いと思います。
ですが、
- 自分の感情に嘘をついてまで仕事を続けたくない
- 社内の人間関係が濃密なのは嫌だ
- クリエイティブな仕事をしたい
- 将来的には、手に職を持って独立したい、フリーランスになりたい
といった価値観の人には、銀行は合わないでしょう。
七十七銀行は、宮城県内でもトップクラスの大企業なので、親御さんや同級生からの評価は高くなるはずです。
そこの魅力に引っ張られてしまい、自分の持っている価値観と矛盾していることに気づかずに、入社してから後悔する、ということにならないように、慎重に考えた方がいいでしょう。
4、まとめ
というわけで、ここまでの内容をまとめると、
- 貸出は増えているものの、低金利で金利収入が増えにくく、売り上げ・利益ともに横ばいだが、経営は安定している
- 新卒の離職率は上昇傾向にあり、採用数も抑制気味で、即戦力となる中途採用が増えている
- 一般的に銀行業は「上の命令は絶対」の昭和型なので、価値観が合わない人は、慎重に検討をすべき
と言えるでしょう。
①七十七銀行に興味があるなら、まずはインターンシップで
七十七銀行では、インターンシップを実施しています。
企業によって、インターンシップの時期が違うので、興味のある方は、こまめにチェックしておいた方がいいでしょう。
②(元)社員の口コミで、現在の状況をチェック
この記事では、決算情報や会社のHP、関連書籍をもとに分析・解説を行なってきました。
ですが、よりリアルな情報(職場の雰囲気や会社のカルチャー)などは、実際に働いている人の口コミをチェックした方が、イメージしやすいでしょう。
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③そもそも、どんな働き方をしたいのか?を考えるなら
学生の感覚であれば、「昭和型」の企業に違和感を感じる人は、結構いるとは思いますが、だからと言って、それ以外の働き方のイメージもつきにくいですよね。
そんな人には、この記事でも紹介しました「いい会社はどこにある?」を読んでみるのをお勧めします。
800ページを超える本ですが、就活の全体像だけでなく、個別企業の実態も詳しく書かれているため、かなり読みやすく、興味の持てるポイントもたくさんあると思います。
興味のある部分から読み進めることもできるため、就活の際の辞書がわりにもなるような本です。迷ったときの判断基準を教えてくれるので、かなり参考になるでしょう。
転職希望者の方にもお勧めです。
④自己分析や自分に合った企業を探したいなら
「上の命令は絶対」のような昭和型の企業は、肌に合わないと感じていても、「じゃあ、自分の性格に合った、働きやすい会社はどこか?」と言われると、なかなか探すのが難しいですよね。
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